「ストリートフォトと演出」

West side NYC in 1989 taken with Nikon F3+35mm f2

掲載写真はニューヨークで仕事をしていた1989年に、たまたま絵になるピックアップがとまっていたので、撮ったものです。

ストリートフォト、スナップフォトは、その街の緊張感を写し込みます。当時のニューヨークは史上最も危険な時代で、警官が毎月平均4名殉職していました。

この写真を撮った、ウェストサイドも人通りが少なく、カメラは、いつもコートで隠していました。今見ても当時のニューヨークの緊張感が伝わってきます。

当時、知り合いで、優秀なアメリカ人フォトジャーナリストがいましたが、彼は、「自分はどんな場所で写真を撮っても、訳ありな、危険で、不思議な雰囲気を出すことができる」と言っていました。

どういうことかと言うと、フォトジャーナリストは、通信社や新聞社の依頼で事件の現場に行くわけです。しかし、現場に着いた時には、事件は終了しているわけで、そこを何気なく撮ってもふつうの写真にしかなりません。

それで、いかにも、事件性、緊張感、やばい雰囲気が出るように、意識的に撮る。というわけです。それはアングルであったり、何かの演出であったり、プリントの技法であったりします。

彼らのギャラは安く、仕事を数でこなしています。ですから、やばい写真を量産しないと食っていけません。

一流のフォトジャーナリストはそうではない。と言うかもしれませんが、彼はピューリッツァー賞、受賞のフォトグラファーで、お腹に銃弾が貫通した穴があいていました。

ストリートフォトで「決定的瞬間」を撮った巨匠の作品がありますが、想像するに、これは演出かもしれないな。というものが多くあります。

ナショナルジオグラフィック専属だったフォトグラファー、スティーヴ・マッカリーは、傑作を多く残していますが、デジタル時代になって、Photoshopを使って何点かのフェイクを発表して問題になりました。

そして、インドでの撮影では、モデルを使ってストリートフォトを演出している疑惑が持たれています。モデルのインド人の告白でばれたようです。ロバート・キャパの崩れ落ちる兵士の写真も疑惑の対象になっています。

特に、デジタル時代になってからのストリートフォトは、結構、演出写真、Photoshopされた写真が多いと思います。しかし、フィルム時代にも、結構演出の入ったフェイクなストリートフォトが多かったように思います。

そういう自分も、ファッション誌の撮影では、セレブに恣意的に演技をやってもらった写真が何点かあります。

決定的瞬間も、もちろん、あります。自分も今まで何度か遭遇して撮ったことがありますが、それを、ストリートフォトの仕事などで待っていたら仕事になりません。

仕事で撮っていると、決定的瞬間を演出することもあります。仕事では常に80点を撮らないと、仕事が来なくなるので、そういうずる賢さも必要です。

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